当院では、補完的・補助的療法を目的として、また傷病の回復の促進や QOL の向上を期待して、いろいろなサプリメントや健康食品を試してきました。
この機会に、犬・猫に限らず、人間も含めたすべての動物の健康の維持に役立つであろうサプリメントについて整理しておきます。
サプリメントとは
サプリメントとは、
アメリカ合衆国での食品の区分の一つである dietary supplement の訳語で、
「従来の食品・医薬品とは異なるカテゴリーの食品で、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、ハーブ等の成分を含み、通常の食品と紛らわしくない形状(錠剤やカプセルなど)のもの」
と定義されています。
栄養面では、言うまでもなく、必要な栄養素は毎日の食事で賄うように心がけるべきです。
そして、体調を見て、明らかに不足しており、それを飲むことで症状の改善が見込めるものに限って、サプリメントとして、できるだけ単独で採り入れるのが理想的です。
さらに進んで、皆さんよくご存じの活性酸素対策をするのなら、
過剰な活性酸素を除去する働きのある、「抗酸化物質」としてよく知られている、ビタミンC、ビタミンE、β-カロチン、リコピン、ポリフェノール、セレン、ユビキノン(コエンザイムQ10)などは、これらの成分を多く含む食物がわかっていますので、先ずはそれらを積極的に食べることで補うようにすればよいのです。
その点、ドッグフードやキャットフードは、品質の面でも栄養面でも十分満足のいく製品が販売されていますので、選択さえ誤らなければ、通常はこれだけで他に何もいらないと思います。
また健康上何らかの問題がある場合には、動物病院ではたいてい処方食=療法食を用いた「食事療法」を勧められると思いますが、これは基本的かつ効果的で、また結果的には経済的な療法のひとつです。
処方食については別ページでご紹介します。
ここからは、サプリメントの機能性=それぞれが持っている何らかの生理学的作用に焦点を当てていきます。
サプリメント・健康食品の選び方
サプリメントや健康食品を探す動機には、
- 歳をとってきたから、今から免疫力を上げて、健康で長生きできるようにしてあげよう
- アレルギーなどの体質の問題があるので、治療と予防を兼ねて体質改善をしよう
- 現在治療中なのだが、病気が少しでも早く治るように、他に加えられる有効なものはないだろうか
- 薬の副作用を軽減してあげたい
- 手を尽くしたけれども、先が見えてきたので、あとは体に負担をかけずに少しでも楽に過ごさせてあげたい
など、など、それぞれに様々な健康上の問題が横たわっていることと思います。
さて、実際問題として、どのサプリメント・健康食品を選べばよいのか?
種類が多すぎて困ってしまいますよね。
サプリメントや健康食品を選ぶ際に重要なことは、Simple is best =必要のないものには手を出さないということですが、
この際に役立つキーワードが、いくつかあります。
これらのキーワードをもとに選べば、早く正解に辿り着けると思います。
サプリメント・健康食品を選ぶ際のキーワード
- 活性酸素
- 腸内フローラ(腸内細菌叢) プロバイオティクス プレバイオティクス
- 酵素 発酵
- ナチュラルキラー細胞
- オートファジー
- アポトーシス
これらはすべて、お互いに関連して、健康の維持に深く関わっている要素です。
ひとつで全てをカバーしてくれる物質があればありがたいのですが、なかなかそうもいきませんので、実際はいくつかのサプリメントを理想と思われる配合比で合わせて利用することになります。
これがおすすめー動物用サプリメント
フェカリス乳酸菌
CPL(環状重合乳酸)
パパイヤ発酵サプリ
プロポリス
サプリメントではないけれど・・
トレハロース
オリゴ糖
ヤギミルク